遺伝子に抗った結果、彼女との幸せを手に入れた。

高校も大学も、ずっと文系で来たから、遺伝子の話を聞いてもよくわからない。
XやYに分類された染色体がどうとか、DNAやRNAは推理小説の中で聞くばかりだから、事件性を感じざるを得ない。

http://onestop-ex.jp/

だけど、これだけはわかる。
ハゲの遺伝子は偉大だ。
優勢遺伝か劣性遺伝かで言えば、確実に劣勢なはずなのに。
ハゲの力は強い。
代々ハゲの家系に育った私は、その強さを知っている。
父も祖父も、白黒のアルバムの中の曽祖父も、もれなくハゲている。

社会人になった頃、仕事のストレスと生活リズム。
一年、また一年と広くなるおでこに、乱れに乱れた生活が顕れている様だった。

社会人3年目。同じ会社に好きな人ができた。
仲良くなるに従って、相手の好みもだんだんわかってきた。
小金を持った社会人3年目。
まだまだ若さを売りにできる年頃で、服装やアクセサリーにお金を費やした。
お洒落な店や雰囲気のいい店。相手の趣味や好きそうな場所を知るたびに、自分の知識も増えていくことが楽しかった。

そしてある時、衝撃的な事実を知る。
そして人生を変えた。

その子は、ハゲが嫌い。
正確には「ハゲは生理的に無理」だそうだ。

そのことを知った日から、お金の使い方が変わった。
シャンプーを変え、育毛剤についても勉強を始めた。
早期治療のために、クリニックにも行った。

それから1年後、彼女と付き合うことになった。

そして5年が経った今でも、幸せな関係が続いている。